私の好きな画家・内田新哉さん

「こんな絵を描きたい!」と思った水彩イラスト

前回の「私の好きな画家」が油絵の佐伯祐三だったことを思うと、系統が変わり過ぎますが、昔から好きだった画家として、内田新哉さんをご紹介。
美術部だった高校生の頃、「詩とメルヘン」というイラスト系の雑誌を図書館で借りて読んでいたので、それが出会いだったのかもしれない。麦わら帽子と自転車などをモチーフに、爽やかな風が吹いてくるような水彩イラスト。
「こんな絵を描きたい!」
おそらく、今も愛用しているピグマの耐水性のペンを買ったのも、ペンの線を生かした内田新哉さんのイラストの影響でしょう。残念ながら当時は美術部で主に油絵を描いていたので、ペン画は趣味程度でしたが。

30年の時を超えて

2019年に私も遅まきながらインスタグラムを始め、プロ・アマ問わずいろいろな水彩画家さんたちとフォローしたりフォローされたりする時代になった。ある日、憧れの内田新哉さんのアカウントを発見、しばらく忘れかけていた(ごめんなさい)水彩イラストの魅力は今も健在で即座にフォロー。
すると、まさかのフォローバック!
「ふおぉー! 内田新哉さんがフォロバしてくれたぁ!」と、大興奮で夫にも報告。…何も知らない夫は「ふーん」って感じでしたが(笑)。

購入したダイアリーは絵を眺めているだけで満足

原画を見に青山へ

ホームページにもアクセスしてみると名古屋近隣にお住まいなこと、名古屋だけでなく京都や東京でも個展を定期開催されていることを知りました。コロナ禍で個展に足を運ぶこともできないまま数年が経ち、ついに2022年12月に東京・青山のギャラリーコンセプト21での個展へ伺うことができました!
30年前にお小遣いで買った画集「サウスウインド」をひそかにカバンに忍ばせて個展会場へ。30年前から人気だったということは、1960年生まれの内田新哉さんは当時30代だったわけだ。すごいなー。ご本人ももちろん会場にいらして、原画をご購入されたお客様(マダム)のために額にサインを入れておられた。若い! そして、会場に来ているファンたちも若い! カレンダーなどたくさんのグッズが売られている会場で絵葉書を大量買いしている若い女性の姿も(分かる~!)。私も悩んだ挙句、絵がたくさん見られるダイアリーを買いました。
そして、にこやかに出迎えてくれた内田先生(そりゃあ、もう「先生」呼びですよ)に、おそるおそる持参した画集のことをお話ししたところ、快く「サインしましょうか?」と言ってくださり(!)、ありがたくサインを頂戴いたしました。1992年に初版の出たその画集、今は表紙の色が変わった(再販、再販なのでしょう)ことや、高校生で画集は高価に感じたでしょうとお話ししてくださり、ワタクシ大興奮でございました。ありがとうございました!

おそらく自分のお小遣いで買った最初の画集

ペン彩画の原点

そんな内田新哉さんの作品は、今も爽やかな風を感じるとともに、年月を経て、明るい音楽さえ聞こえてくるように感じます。
同じような絵は描けませんが、私がアメリカで水彩画を始めて以来、ペンを使ってみたいと思うようになったのは、30年前に出会った内田新哉さんの絵がきっかけでしょう。自転車をモチーフにした私の作品の中で、最も彼の影響を感じる作品をここに掲載しておきます。

自転車シリーズのひとつ