風景画を描くための取材は日常生活の中で

心魅かれる風景

風景画が好きな私は日スケッチに出かけて、現地で描くこともあるけれど、お出かけがままならない最近はほとんどスケッチに出ることはない。その代わり短い時間でカメラを片手に取材し、参考にネットで写真や絵などを探し、頭の中で再構成して描くことが増えた。現地でスケッチをするときに感じるムードや光の加減は現場でないと得られないものだけど、取材時はできるだけその場の空気感を精一杯感じ取り自分の中に吸収して帰ってくる。そのためにビデオを撮ることも増えた。海や川の流れ、揺れる木々などをビデオに収め、描くときは必要に応じてビデオを止められるのが便利。

空が綺麗、とか、逆光の中の木々など、美しい光景にふと足を止める。ジョギングをしに行ったつもりが、気が付いたら写真撮影に明け暮れていた、なんてことも…

写真から絵を描くということ

構図をしっかりと決めて、描き始めはカタチを取るために写真を見ることはあっても、できるだけ写真に流されないようにする。写真を白黒に変換して、画用紙の上では自由に色を置くことのほうが多い。

写真は題材のひとつでしかないので、美しい写真でなくてもよい。日常生活の中で綺麗だなと感じたものをとりあえずスマホで写真に撮っておく。電車の中から見えた光景でも良いし、夕陽とか葉っぱのきらめきとか、その時間でしか見られないものもあるから、取材時だけにとどまらず常にアンテナを張っている。日常の中で美しいものを吸収し、自分の中で再構成した風景の中に描き出す。

銀杏並木の絵を描いている時に参考のために撮影。光が当たっている幹や葉っぱの輝きに注目