アメリカの水彩教室を真似てみた

アメリカの水彩画教室のスタイルを真似てみた

私が夫の海外赴任に帯同してアメリカ西海岸に渡ったのは2007年。子供たちは1歳と3歳で慣れない地での子育ては大変だった。
その中で子供たちがプリスクールに行っている間の大人の習い事タイムはリフレッシュできるかけがえのない時間。英語と料理とエクササイズなどに通ったが、一番長く続いたのは水彩画。
リタイア後の白人が多いこのクラスでは、課題の絵を転写して下書きとし、先生のケイトが何回かに分けてデモンストレーションを見せ、生徒は皆で同じ絵を描きながらテクニックを身に着けていくというスタイルだった。1枚の絵が完成するには2回のクラスをまたぐので、およそ5時間かかる。混色・ぼかしの技法や、マスキング・海綿・塩・ラップを使ったテクニックなど、多くのことをここで学んだ。
このやり方だとみんなが同じ絵を描くのだが、出来上がりは個性が出てユニーク。構図やデッサンもしっかりしているため完成したときの満足度も高い。私が、日本でもこのスタイルを採用しようと思ったのはそのためだ。

アメリカらしさ

教室のスタイルとは別に、アメリカで習った水彩画の記憶は私の中で「アメリカらしさ」として刻み込まれている。それは色の鮮やかさ。
日本に帰国して初めて行った水彩サークルでは色の淡さが気になった。水彩は薄く淡く塗るという決まりがあるのか?と思うほど。
かつてアメリカで描いた作品も個展の末席に並べたところ、意外とウケが良かったこともあり、明るい絵・鮮やかな色彩というのは、常に私の作品づくりの信条である。

ケイトのクラスで描いた絵のひとつ。色合いや表現がはっきりしている。