水彩画制作のデモンストレーション
デモを見ながら着色の段階を学ぶ
私の水彩画教室では、着色のプロセスとテクニックを身につけてもらうために、数回に分けてデモンストレーションを行っています。1枚の絵を描くのに、どこから塗れば良いのか、塗る順番はできあがった作品だけ見ても想像がつかないからです。
近年はYoutubeなどで気軽にプロの制作過程を見ることができるし、私自身もネットから学ぶこともあります。それでも生徒さんたちが熱心に教室に通ってきてくれるのは、実際に眼で見て、講師に質問もできるというリアリティにあると思っています。
水彩画の技法には、先に画用紙にしっかり水を張り、色をにじませる描き方があります。デモをするときには私の周りを生徒さんが取り囲み手元をじっと見つめていますが、どのくらいの量の水を使用しているのか、角度によっては見えないと思われるので、画用紙を持ちあげて、1人1人の眼の高さあたりでぐるっとお見せします。水だけだと透明で見にくいのですが、そうすることで水が光るのでタプタプなのか、ところどころ乾いた場所が残っているのかを確認することができるでしょう。
デモを見ている間に作品を休ませる(乾かす時間)
教室でデモンストレーションをやる良さは、私のデモを見ている時間に、生徒さんたちの手が止まり、画用紙が乾く時間があるということも挙げられます。
時々、自主制作の月を設けていますが、デモがないため自分の制作に没頭するあまり、手を動かし続けてしまう人が多いです。水彩画は水を使うので、ずっと触り続けていると、常にウェットな状態が続き、ついには画用紙に色が入らない飽和状態を招きます。
触れば触るほど筆の跡がついたり変なにじみができたり…という経験は私にもあります。色を塗るのが楽しくて筆を動かし続けてしまう人、もしくは気に入らない部分に直しを入れたつもりが余計に変になり焦ってしまう人――教室では生徒さんの様子を見て回り、「一旦、乾かしましょう」とお声がけすることも。
一方通行ではない、双方向のやりとりができるのも対面クラスの良さだと常々感じています。
プロジェクターを使って
普段デモンストレーションをお見せしている教室はMAX12人ほどが限度だと感じますが、先日約30名の生徒さんの前でデモをする機会があり、初めてプロジェクターで手元を投影する方法を経験しました。両手が使えるようにギターの弾き語りみたいなマイクスタンドも用意し、水彩画の基本技法の説明を入れながら進めました。
しかし、リンゴに赤い絵具を塗っている最中、「先生、それ赤ですか?」という声が飛び、ふと映像の方を見ると、茶色いリンゴが…! プロジェクターの色調整がちゃんとできていませんでした…(汗)。仕方なく、デモの合間に私の画用紙を持って教室を回り、実際の色を見てもらう羽目になりました。
そんなこともあり、プロジェクターやオンラインのデモンストレーションではなく、実際に対面のクラスに来て欲しいなと思うのでした。
横浜戸塚・さくらギャラリーのイベントでデモやります
普段は教室に来てもらわないとデモは見られませんが、来月19・20日、横浜戸塚で行われるイベント「TAPフェス」にてデモンストレーションを行います。かっこよく言うと「ライブペイント」というのでしょうが、教室でのデモのようなスタイルではなく、ただただ公衆の面前で絵を描きます(笑)。よかったら見に来てください。
何を描こうかなー、かっこよく見える題材ってなんだろう?(笑)
詳細は、また後日――。