夏休み子供の絵の宿題

夏休みの思い出を描いてみよう!

夏休みがそろそろ終わるが、絵の宿題に親子共に頭を悩ませている人が多いと聞く。絵を描くのがキライ・苦手という子には、大きな白い画用紙の前に何時間も座って描くのは苦痛に違いない。
私の夫もその一人で、小学生の頃、宿題の絵を母親に描いてもらったらしい(笑)。義母の絵を見たことがないから知らないけど、決して上手ではないから大人が描いたとばれることはなかったと言う(苦笑)。
「夏休みの思い出を絵にしてみよう」と言われたって、画力がないのにまず鉛筆での下書きから憂鬱、絵具を塗るなんてもってのほか、という子も、そして同じ思いをしてきた親も、半日、いや2時間くらいで、欲を言えば1時間くらいでささっと終わらせることができないかなぁと考えていることは想像に難くない。

苦手意識を持っている人こそ早く終わらせたいところ…

四つ切りの画用紙はF8よりも大きい

学校で配られる画用紙の大きさ、皆さん知っていますか? 四つ切りサイズと言われる大きな紙、だいたい机の上にだって乗りません。調べたところ、395×546ミリだそうで、なんと私たち水彩画家が描くF8サイズより大きいではありませんか!
そりゃあ、ちまちまとした絵を小筆で描くよりは、子供らしくのびのびと描け、大きなサイズは見栄えもするでしょうよ。
でも。
はっきり言って、F8サイズは1日で描ける大きさじゃあありません! 
大きな筆も必要だし、乾かす時間だって必要だから、画家だって何日もかかるものなんです。それを半日で終わらせるなんて、甘い、甘い。

それでも何とか早く終わらせる工夫

数年前、我が子が小学生だった際に4回くらいに分けて小学生の絵の講座をしたことがある。でも、来てくれたのは、もともと絵を描くのが好き、という子がほとんど。それはそれで楽しんでくれたとは思うけれど、それ以来、「絵を描くのは苦手」という子にはどう描いてもらったらいいか、ずっと考え続けている。

まず下絵を鉛筆で描いてみる

他人と違った視点で描く構図

まず、一度A4サイズくらいに鉛筆で構想を描いておく。そしてそれを見ながら画用紙に大きく元気よく描く。元気のいい小学生は(審査員などの)大人にウケる。スイカを食べている大きな口とか、すくった金魚を見つめる大きな目とか、カブトムシとか、なんでも主役は紙いっぱいに描く。高学年なら目線を下げて物事を見つめてもらうと面白い構図になるだろう。

絵具はいっぱい用意する

色塗りの段階では、絵具をたくさん出して、大きな筆で塗る。途中で絵具がなくなると、色を作っている間に塗ったところが乾いてくるので、どうしても色むらができてやる気をなくす。なので、大きいスペースは一気に全部塗れるだけの絵具を用意しておく。百均で買った絵具なら惜しくないので、夏の絵のために1箱買っておくと安心だ。濃度にもよるが、四つ切りの紙を1色で塗るなら、小さい絵具のチューブ1本では足りないだろう。1/4くらいしか塗れない気がする(検証してないけど)。
塗る順番は、できるだけ薄い色、面積の大きいところから塗り、濃い色、細かい部分は最後に塗る。隣が乾いていないとにじんで思うような形にならず、悲しくなるので、できるだけ乾きが早い日にやると良い。ドライヤーを使うのも手。大きく描いた主役を先に仕上げると、達成感が出てきて良いかもしれない。

大きいスペースを塗るときは刷毛でもよい。絵具も食品トレーなどに大量に準備する。

絵具以外の材料も使えたら使う

もし何か別の紙を貼ってもOKなら、柄物の折り紙などを切り貼りしても楽しめるし、インパクトも出る。また細かいところを色鉛筆やマーカーで描けば失敗も少ない。違う素材を混合して作品を作るミックストメディアというところか。
是非、親子で楽しみながらささっと終わらせてもらいたい。下手でもいい――元気よく、カラフルに、夏を感じよう。

可能なら素材の違うものも併用して楽しむ!