どこででも、1人でも楽しめる趣味としての水彩画

コロナ禍と水彩画教室

コロナという感染症が広がって3年目。自粛生活といって外出も規制され、様々な活動ができなくなった不自由な生活を経て、ワクチン接種が進んだおかげか少しずつ元の生活を取り戻しつつある。しかし今もなお感染状況が悪化すれば、活動は停滞する。昨年も私個人としては個展やワークショップの延期、教室の宣伝活動がしにくい状況だったのは否めない。
とはいえ、コロナ禍、ステイホームで水彩画を描く時間は増えたわけで、1人で部屋に閉じこもって様々な描き方を練習することに時間を費やしたこともある。合唱や合奏といった音楽関係の趣味を持っている人たちはZOOMなどを駆使して練習をしていたことを聞くと、絵を描くという行為は、1人でも複数でもできることは利点だと感じた。声を出したり体の接触がある音楽や体操関係の講座やイベントができない時期も、声を出さない静かな活動である絵画は、コロナ禍でも真っ先に教室が再開され、展覧会も密にならなければ開催され始めた。昨年後半は講座への問い合わせも増え、講師としては嬉しい限りである。

簡単な水彩画の道具を常に手元に置いておく

家でも気軽に水彩画の道具を広げよう

気軽に絵を描けるようにおすすめしたいのは、リビングなどすぐに手が届く場所に小さなスケッチブックと鉛筆、小さなパレットと水筆をおいておくことだ。水筆は使い方に慣れる必要があるが、次の色に移るときはティッシュで筆先をぬぐうだけでよい。描きたいものをささっと鉛筆で下書きして2~3色で淡く色付けするだけでも、右脳を使うため意外と気分転換になる。

富士山は人気のモチーフ

描きたいモチーフを簡単に見つける

旅行にも出られず、友達とも会えない日々が続いても、描くモチーフはいろいろなところに転がっている。テレビで見た旅行番組などで美しい風景を描く、好きな芸能人を見ながら人物画、好きなアニメキャラを描いても良い。花や静物など、実際に自宅にあるものを描かなくても、テレビやユーチューブを活用して自分が描きたいものを見つけるのもモチベーションに繋がるのではないだろうか。ビデオに録画しておいて、気に入った場面を静止画像にしたり、写真に撮っても良い。自分では行けない外国や違う時代、それこそファンタジーの世界にまで、描きたいモチーフは広がっている。

ギリシャのサントリーニ島。TVやネットでモチーフは簡単に見つかる