ヨーロッパ3か国スケッチ旅行2025―スイス・レマン湖地方編
27年ぶり3回目のスイスはガイドブックにない旅
今回の旅の計画を立てていた6月ごろでしょうか、フランスに熱波到来のニュースが流れ、南仏へ行くのを断念し、学生時代からの友人(フランス人)が住むスイスへ行くことにしました。モントルーに住む友人は山の方にも別荘を持っていて、どちらもゲストルームがあるとのことで、ご招待にあずかることにしたのです。ありがたや!
リヨンから電車でジュネーブへ向かい、友人のアドバイスに従って地域限定パスを買って約1週間、レマン湖の周りで「ガイドブックにはない旅」を楽しみました(パスについては別途記事)。スイスのガイドブックでよく紹介されるチューリヒ、グリンデルワルド、ツェルマット、ルツェルン、ジュネーブなどで27年前は「王道なスイス」を廻ったので、今回は少々マニアックなスイス旅です!
長文なので、写真と最後のスケッチ画だけでもお楽しみください。
モントルー(Montreux)
ジャズフェスティバルで有名なモントルー。ジュネーブとはレマン湖の反対側(東の端)に位置する「スイスのリヴィエラ」とも呼ばれるリゾート地です。クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーが暮らしたことでも知られ、彼の名前はいろいろなところで見かけました。フランス語圏で、フランス人の友人とはずっとフランス語で会話したのでフランス語が伸びたような気がします(本当か?)。
モントルーを拠点に行ったところは、まずは山際をジグザグに登山電車で50分ほど行くとたどり着く標高2000mのロシェ・ド・ネ(Rochers de Naye)。眼下に見下ろすレマン湖、遠くに氷河を載せた山々も見え、山には羊たちが放牧され、高山植物も咲くなど一気に高い山へ来たことを実感します。
モントルーから湖畔を南へ歩いていくとシオン城(Chillon)が見えてきます。湖に突き出した岩を基盤とした複雑な作りになっていて、サヴォワ公の居城だったことも城の中のプレゼンで初めて知りました。
またモントルーから電車で20分くらい北西へ向かうとレマン湖を見下ろすようにブドウ畑が広がっています。こちらが世界遺産のラヴォー地区(Lavaux)のブドウ畑です。緩やかな坂道を降りながら世界遺産を静かに楽しみました(だって1人だったから)。


シャトーデー(Chateaux d’Oex)
友人の別荘があるシャトーデーはモントルーから山の間を縫うように電車で1時間ほど山間部へ入ったところにありました。19世紀からイギリス人に人気の保養地だった場所で、気球の大会や切り絵でも有名だそうです。
山間部ではモントルーのような都市部には見られないシャレーと呼ばれる三角形の大きな屋根のある木造の家々が山の斜面に立っています。日本でもスキー場などで山小屋風のペンションがありますが、スイスのシャレーには建築された年代が刻まれ、1700年代のものも普通に見られるのがすごいなと思いました。山には牛や羊が放牧され、まさに「アルプスの少女ハイジ」のような景観です。
シャトーデーを起点に、隣町のルージュモン(Rougemont)やその隣駅のザーネン(Saanen)へ1人でスケッチに出かけました。シャトーデーよりも小さくてスケッチ場所を見つけるのも楽でした。普通電車もパノラマになっていて、山々を見ながら移動できるのも良いですね。実はザーネンまで行くとドイツ語圏なので標識も読めません。ただ1つだけ、記憶の彼方にあった27年前の乏しいドイツ語の知識…「Bahnhof」という単語が「駅」という意味なことを思い出しました(笑)


ラウエネンシー(Lauenensee)
唯一友人たちと観光に出かけたラウエネン。電車でグスタッド(Gstaad)まで行き、その後1車線しかない山道を高度な技術で上っていくバスに揺られて約1時間、山の中の湖(Lauenensee)にたどり着きました。ここもドイツ語圏ですが、ドイツ語の喋れるスイス人の友人も同行したので安心でした。
カウベルが反響して聞こえる山の散歩道からは、遠くに氷河の残る山や細く長い滝などが見え、青空と山々を映し出す澄んだ湖面に心が洗われるようでした。湖のほとりで食べたチーズとパンのランチが美味しかったこと!


おまけ ―スイスの食事
スイスでどうしてもラクレットが食べたい!と言うと、友人が自宅でラクレットを用意してくれました。なんと、チーズを溶かす電熱器のついた家庭用ラクレット機があるんですね! 若い頃と違ってチーズが重くて沢山は食べられませんでしたが(汗)、貴重な経験でした。
長く滞在させてもらった友人たちへのお返しに、日本通で日本の食材や炊飯器もある友人宅で親子丼やナスをピーマンの煮びたしなど和食を作ってふるまいました。洋食続きで飽きてくる頃でしたので、私も久々の白米と醤油味に和みました!

