ペン彩画との出会い

帆船はペンで描いたほうが描きやすい気がする

ペンと水彩で描く

日本に帰国したらペンの線を生かした風景画に挑戦してみようと思っていたので、五十嵐吉彦先生を中心に各地で活動している「水陽会」の系列クラスに入った。

「水陽会」の中でもペンを使った「ペン彩画会」には、「ペンによるスケッチの線を活かし、透明水彩絵具で彩色し白地を活かして、光と影の表現を尊重し、サイズはF4主体‥」とある。

簡単な道具だけでよい。旅先でささっとペンでスケッチをして、透明感のある水彩で風景画を仕上げるのに、F4というカバンに収めやすい大きさ、そして形を取ってあとは塗るだけという気軽さ。「水陽会」のメソッドは、余暇に絵を描いて楽しもうという人にも簡単にチャレンジできるスタイルとしておすすめである。

日本ペン彩画会のサイト

PIGMAのペン
愛用しているPIGMAのペン

もともと絵を描くのが好きだった私はイラストを描くのにサクラのPIGMAというペンを愛用しており、趣味で漫画のようなイラストを描いていたころは0.01という極細のペンを使っていた。風景画を描き始めてからは0.4が多い。このペンは描きやすく、水彩絵の具を使ってもにじまないのが良い。

私が初めてペンでスケッチ画を描いた時の失敗を記しておこう。

印刷に向くイラスト画しか知らなかった私は全部の線をペンで描いてしまい、先生に「描きすぎ」と注意される羽目に。風景画では遠くにあるものは薄く表現するので、ペン入れするのはメインとなる建物ぐらいでよかったのだ。ペンで描いてしまったら消せないので、「どこまでペンで描くか」というのは初めは判断が難しい。

ペンで描くと楽なのは、船や寺院など複雑な形状のモチーフ。

逆にペンで描かないほうがいいのは、木々、石ころ、雲など、メインを盛り立てるものたちである。

最近はよほど入り組んだ線や暗い影に沈んだ建物の一部以外はペンを使わなくなった。だが鉛筆の線は絵の具の水分で描いているうちに消えてしまうので、ビギナーにはペンをおすすめしたい。きちんとペンで描いておけば、あとは塗り絵のようにさっと色をつけるだけで形になるからである。