熱海教室(4月に新教室開講)

熱海では市役所や大型スーパーのある中心部にて水彩画教室を2021年4月に開講します。
ビギナー向けで少人数、デモンストレーションを見ることで段階的に水彩画の着色テクニックを学びます。静物、風景、イラストなど様々なモチーフを用い季節感あふれる絵を描きましょう。

火曜日 月2回 便利な市街地
「熱海で学ぼう ビギナー向け水彩画教室」
毎月第2・4火曜 13:00~15:00
熱海ライフ倶楽部
参加費 4,000円/月 (初回のみ材料費500円別途)
対象 中学生以上

関連:熱海教室(固定ページ)

静岡県と神奈川県の県境、熱海市泉地区でも絵画クラブに携わっています。こちらは熱海・湯河原・真鶴に広く会員がいて、ビギナーから経験者まで和気あいあいと絵を描く時間を楽しんでいます。

日曜日 月2回 サークル 格安
「絵画クラブ アートサロン」
毎月第1・3日曜 13:00~15:00
泉公民館 屋外スケッチの場合もあり
参加費 3,000円/3ヶ月
詳細はホームページ (外部サイト)

私のビギナー向け水彩画教室

教室のスタイル 
―デモンストレーションを見て学ぶ

アトリエおらんじゅが主催する「ビギナー向け水彩画教室」では、季節に合ったモチーフを決め、デモを通して段階的な着色方法を学ぶのが基本スタイル。


絵具を塗ったら失敗?

水彩画を学ぼうとレッスンに来てくれる方は、もともと絵を描くのが好き、あるいは得意、という方が多いでしょう。でもせっかく上手に描けた下絵を、着色の際に台無しにしてしまうこともよくある話です。例えば、絵具が乾いていないうちに修正を試みて絵具が滲んでしまう、などの失敗例が多いです。


塗り方を学ぼう

水彩絵具の塗り方・手順が身につけば、自分の描きたい絵を思い通りに描けるようになり、絵を描くことがもっと楽しくなるでしょう。
そのために私の教室では皆さん同じモチーフにトライしてもらい、着色のテクニックを身につけることを目的としています。
アメリカでの教室経験から、同じ絵を描いているようでみんな違った作品が出来上がることも知っています。それでも、私の教室では「空の色を自由に変えてOK」など、皆さんが「自分らしさ」を出せる“余白”を設けるようにしています。皆さんの出来上がり作品を並べて鑑賞する時間は、それぞれ個性が出ていていつも面白いです。

横浜戸塚教室(4月日時変更あり)

横浜駅から電車で10分。戸塚駅近くの柏尾川散策コース。

横浜の戸塚では2つの水彩画教室を開講しています。
いずれもビギナー向けで少人数、デモンストレーションを見ることで段階的に水彩画の着色テクニックを学びます。静物、風景、イラストなど様々なモチーフを用い季節感あふれる絵を描きましょう。

土曜日 月1回 駅近
「M&Aカルチャー ビギナー向け水彩画教室」
毎月第4土曜日 13:00~16:00(←2021年4月より変更) 
交流広場とつか
参加費 2,000円/回(初回のみ200円別途)

水曜日 月2回 サークル 格安
「水彩画サークル オレンジ」
毎月第1・3水曜日 13:00~15:30
コミュニティハウス倉田
参加費 3,600円/3ヶ月

関連: 横浜戸塚教室 (固定ページ)

アメリカの水彩教室を真似てみた

アメリカの水彩画教室のスタイルを真似てみた

私が夫の海外赴任に帯同してアメリカ西海岸に渡ったのは2007年。子供たちは1歳と3歳で慣れない地での子育ては大変だった。
その中で子供たちがプリスクールに行っている間の大人の習い事タイムはリフレッシュできるかけがえのない時間。英語と料理とエクササイズなどに通ったが、一番長く続いたのは水彩画。
リタイア後の白人が多いこのクラスでは、課題の絵を転写して下書きとし、先生のケイトが何回かに分けてデモンストレーションを見せ、生徒は皆で同じ絵を描きながらテクニックを身に着けていくというスタイルだった。1枚の絵が完成するには2回のクラスをまたぐので、およそ5時間かかる。混色・ぼかしの技法や、マスキング・海綿・塩・ラップを使ったテクニックなど、多くのことをここで学んだ。
このやり方だとみんなが同じ絵を描くのだが、出来上がりは個性が出てユニーク。構図やデッサンもしっかりしているため完成したときの満足度も高い。私が、日本でもこのスタイルを採用しようと思ったのはそのためだ。

アメリカらしさ

教室のスタイルとは別に、アメリカで習った水彩画の記憶は私の中で「アメリカらしさ」として刻み込まれている。それは色の鮮やかさ。
日本に帰国して初めて行った水彩サークルでは色の淡さが気になった。水彩は薄く淡く塗るという決まりがあるのか?と思うほど。
かつてアメリカで描いた作品も個展の末席に並べたところ、意外とウケが良かったこともあり、明るい絵・鮮やかな色彩というのは、常に私の作品づくりの信条である。

ケイトのクラスで描いた絵のひとつ。色合いや表現がはっきりしている。

水彩画 私の道具

私が普段使っている水彩の道具を紹介します。

・絵具…色は18色。黒と白は使わないが、ハイライトとして入れる白だけはアクリル絵具。
 私は風景画を描くので、自然の色を多く使用するため茶・青・緑が豊富。
詳しい絵具についてはコチラ
 

・筆…平筆と丸筆、それぞれ大中小とあればいい。特にこだわりのメーカーはないが、数千円するものもあるので、買うときは値段をチェックしたほうが良い。
私は比較的硬めの筆が使いやすいと思う。子供の絵具セットはやたら柔らかい筆が多く、非常に使い勝手が悪いので、娘が夏休みの絵を描くときは筆だけは貸してあげている。

・パレット…スケッチに出かけるときに持ち運びやすいよう100均の手のひらサイズを使っていたが、色を入れる小さいスペースが12個しかないので、上にあげた色全部が入らないので、青い絵具を4種類ぐらい新規導入したのを機に大きめのパレットを購入。1500円くらいだったように記憶している。
近頃の水彩絵の具は質が良いので、固まっても水で溶かせばすぐに使える状態になる。そのため、私はほとんどパレットを洗うことがない。混色する大きいスペースも、なんとなく赤系・緑系・茶系・青系を作る場所として自分で決めているだけである。

・筆洗…100均の3個が重なるタイプを愛用している。筆に水を含ませる・筆を洗うだけのものなので、なんでもいいと思う。持ち運び用に蓋のついた瓶を使う人も多い。

・紙…道具にはあまりこだわりがない私だが、水彩用紙だけはこだわりがある。と言ってもアメリカで水彩を始めたころの近隣の画材店にはカンソンのストラスモアかアルシュの2種類しかなかったので、初めはストラスモア、上達したら高価なアルシュを使うようになった。
日本に帰国したら水彩用紙の種類が豊富なことに驚いた。全部の種類を使ってみたわけではないが、今はアルシュの緑色の表紙のものとウォーターフォードの紺色の表紙のもの、ブロック型で300g/㎡の厚さで荒目か中目を使用している。大きさはSMサイズからF4、F6、F8など。

・鉛筆…下書き用で基本的に何でもいいのだが、三菱鉛筆のBを使用。

・消しゴム…こちらもなんでもいいのだが、MONOのよく消える消しゴムを使用。

・カッターナイフ…鉛筆を削るため。荒目だと結構鉛筆の減りが早いから鉛筆削りを使っていない。時々は画用紙の表面を削って白い線を入れるのにも使用。

・定規…15センチくらい。建物や遠近法の下書き用。

・ペン…サクラ製のピグマで太さは0.5か0.4。基本は黒。セピアもある。

・水筆…野外スケッチ用で短時間に着色したいときは水筆が便利。時々立ったままSMサイズにささっとスケッチしてなんとなく色づけし下絵として使うこともある。
マスキング液を塗るのに専用の水筆も作った。

・ティッシュかキッチンペーパー…水分を拭き取ったり、消す時に使う。

・マスキング液…波や川を描くときの水の泡や細い線など白抜きしたいときに使う。【ホルベイン】のマスキングインク466を使用。

・塩…水たっぷりのウェットな状態で色を塗り、上から岩塩を降りかけると味のある模様ができる。

・霧吹き…ウェットな画面を作るときなどに使用。100均の手のひらサイズのボトルを使用。

・メンバーズカードのような硬めのカード…ウェットな状態でカードの角で引っ掻くようにして木目などを表現するのに使用。

・ペインティングナイフ…油絵を描いていたころに使用していたナイフだが、ブロック型の用紙を、絵が完成したら1枚はぎとるのに使用。

水彩スケッチ 現場か写真か

東京駅は魅力的なモチーフだが、人が多い上に時間がかかりそうなので現場で描くことは諦めた

屋外で描く・写真を見ながら家で描く

私は風景画を描くのが好きなので、月に数回スケッチに出かける。
やはり絵にする時に現場の空気感や思い入れが自然とにじみ出るものなので、屋外スケッチまたは取材は大切である。
ただ、家族や友人との観光の途中や単なる移動の際に惹きつけられた風景――夕焼けが綺麗だとか雨に輝く路面だとかは、なかなかスケッチをする余裕がないのも事実。
その場合は、できるだけその場の空気感を心に留めながらスマホで撮影して、家でゆっくり絵にすることになる。

屋外スケッチにしても、F4サイズの絵を仕上げるのにおおよそ4~6時間かかる。描いているうちに雲の形は刻々と変化するし太陽が動き影の位置が変わる。その日の湿度によって絵の具の乾き方も違い、着色のスピードや絵具の混色にも関わる。そこが屋外スケッチの難しいところ。
屋外で制作していても、例えば影の落ち方が一番魅力的なタイミングにスマホで撮影しておいて、絵の中で影をつける際には参考にする。当然走り去る車や電車は写真を見ながら描き入れることになる。どのみち写真と絵は切っても切り離せない。

電車は一瞬にして走り去ってしまうので、連写しておき、後で良い角度を選ぶ

現場でスケッチ、仕上げは家でゆっくりと

その上、私は現地で描くとどうしても実際の色に引きずられる傾向があるので、家で落ち着いて描くほうが好きである。どこにいても自分の色を出すには、まだまだ未熟ということかもしれない。
というわけで、屋外スケッチに出かけても、途中で切り上げて家で仕上げるほうが多い。ひどいときは下書きしかしないで帰って来る時もある。

家で描くときは、ゆっくり構成を考える余裕が生まれる。画面の構図や色のおおまかな配置や着色の順番を落ち着いて考える。水彩画は油絵のようには重ね塗りがきかないので、下書きをしてから色を置くまで、しばし工程を考える時間を持っている。どこにマスキングをするか、どの時点で塩を使うか、下地にどんな色を使うかなどを決めるのである。
もちろん考えていた通りには進まないし、色を置く際に偶然にできるにじみや染みも水彩画の味わいだと思う。

上の写真と比べて、電車の位置などが違うのがお分かりだろう。
スケッチに行ったときは、まだ一分咲きだった梅も絵の中では咲いている。

写真よりも魅力的な画面を作る

写真の通りに描くのであれば、初めから写真で良い。
そもそも写真という手段があるのに、なぜ絵を描くのか、絵にする必要があるのかということを考えると、水彩画の持つ「にじみ・ぼかし」をうまく利用して、ときには大胆にモチーフを省略・再構成することで、「写真より魅力的な画面を作る」ということだろうか。

絵なのだから、すべてをその通り描く必要はない。
実物通りの色にする必要もない。
絵は自由なのだ。アートイズフリー!

風景を描く 写真ではない手書きの良さ

江ノ電のある風景を描くため取材した鎌倉高校前駅

省略や再構成は効果的に

風景画を描くことは、現実そのままに描くことではない。現実通りなら写真で十分。最近は写真をパソコンやスマホで自由に加工もできるから、素人でもちょっとコツを飲み込めば「インスタ映え」する写真を作ることは可能だ。
こんなにテクノロジーが発達しているのに、それでもアナログな手法で絵を描く。しかも描き手の想像力・創造力から生れ出たファンタジーや抽象画やイラストではなく、愚直に絵具と筆で風景画を描く。うーん、何でだろう?(笑)

そんな根本的な問題はさておき、風景写真との違いは、絵は自由に切ったり張ったりできること。色も自由に変更できるし、筆致や絵具の濃さなどでさまざまな表現が楽しめる。
私も木々が邪魔で描きたいものが見えないときは少し位置をずらしたり、変に空間があいてしまう時は何かしら描き加えたりする。もちろん下手にやると作為的になってしまうので、不自然にならないよう考える。

何気なく歩いている時に綺麗だなと感じた光景を撮影しておく

メイン(主題)を決める

「絵も定食と同じでメインがあって、副菜や汁物のようなサブメニューは手を入れすぎない」とは高校時代の恩師の教え。
一番描きたいものにはしっかりと手を入れ、周りはぼかしたり薄くしたり、見る人に何を描きたいのか伝わるように表現方法を変える。ファインダーを覗いてどこにピントを合わせるかを決める写真も同じだと思う。

色も自由に変更して構わない。例えば金閣寺を派手なピンクに塗ったら宗教施設なだけにちょっと不謹慎な気さえするが、そもそも金色を再現するために黄色系絵具を駆使するだろう。影の部分を青や紫がかったグレーで表現する人も多いはず。川の流れを表現するのに、本来透明なはずの水に水色を使う。そう考えると絵を描くときは誰でも自然に色を変更して描いていることになる。
色を自由に選ぶのであれば、全体としてまとまりのある系統の色を使うのがいいだろう。時には反対色を並べて目立つようにすることもあるし、同系色でまとめることもあるだろう。
何しろ、絵は自由なのだから。アートイズフリー!

有名スポットを描くのも勇気がいる…?

私は油絵をやっていた高校生の頃から風景画を描くのが好きだ。
人物や静物、イマジネーションを働かせたイラストなど、水彩画にもいろいろあるけれど、なぜか風景画が一番好きだ。
中でも建物を描くことから私の水彩風景画は始まった。教会や寺院など有名な観光スポットを描くことも多い。観光も兼ねて、スケッチや取材に行くのも楽しい。だが、観光スポットで記念撮影をする時のような風景を絵にするのは少々難しい。人が多すぎることや、ありきたりな構図なら写真で十分だからだ。

みなとみらいのビル群をいかに魅力的に描くか?

風景画の場合は、展覧会で絵を見た人がすぐにどこか分かる、よく知られた場所であることがお客様を惹きつける理由の一つであったりする。もちろん絵として美しいことは言うまでもないが。ただ有名な建物の場合、ちょっとした歪みや色など現物との違いまで見抜かれやすい。寺社や城は経験上、細部まで正確に描くのは非常に根気がいるので、どーんと画面の中央に描くのはビギナーにはハードルが高い気がする。その場合は建物全体を描かずに、近くに生えている木々とともに一部分を切り取った絵にするのもひとつの手だろう。

日本丸の総帆展帆を狙ったが、あいにくの曇り空。
でもそこは絵なので、なんとでもなる!

構図が大事

風景画でまず大切なのは構図だと思う。
風景の切り取り方は描き手によって様々だ。私は油絵をやっていた頃の構図の切り取り方(当時はもっとごみごみした部分を描いていたのだが)を自分のスタイルとして残している。

近年は建築物そのものよりも、普段の生活で目にする(有名な場所ではない)普通の街角を絵にしたいと思うようになった。生活感のある町並みや商店街、田舎ののどかな光景など、絵になる風景はどこにでもある。写真映えしない(もちろん撮影する人によっては素敵な写真になるのかもしれないが)景色であっても、絵にする時にどれだけ芸術的に雰囲気を醸し出せるか、そこに画家の腕がかかっているのかもしれない。
そのような、ある意味チャレンジで初めて描いた街角の絵は、ごみごみした商店街の雨の夕暮れ時で、とても苦労したのを覚えている。出来が良いのか悪いのか分からないまま展示したところ、なぜか見る人にノスタルジーを感じさせたようで、買ってくれる人まで現れた。
見る人の琴線に触れるかどうか。それは難しい課題だけれど、とにかく自分のスタイルで風景を描く。これからも挑戦が続く。

私の水彩絵具 いろいろ

いろいろな水彩絵具

画材屋さんに行くと、水彩絵具もいろいろなメーカーのものが並んでいて、どれがいいのか戸惑うことも多いだろう。有名なところではウィンザー&ニュートン、ホルベイン、クサカベなどがあり、透明水彩/不透明水彩、四角い固形のもの/大小のチューブ入りなどがずらりと並ぶ。よく見ると、色によって値段が違う。これは色を作り出す原材料の違いであり、高ければ良いというわけではない。
私が使っているチューブ入りの絵具は以下のメーカー。黒と白は使わない主義。
【ウィンザー&ニュートン】2008年にアメリカで水彩画を始めた時にセットで購入したのがウィンザー&ニュートン製コットマンウォーターカラーズのシリーズ。何本セットだったか覚えていないが、必要な色を追加し、使い切ったら補充しているものの、未だにアメリカ時代のウィンザー&ニュートンで事足りている色が多い。もう10年以上経っているのに、チューブの中で固まることもなく、最近の絵具は素晴しい。
【ホルベイン】日本でウィンザー&ニュートンは固形タイプしか見たことがない上、かなり高価なので、足りなくなった(=よく使う)青と緑色はホルベインのチューブを補充している。

よく使う色とそうでもない色

風景画を描く私にとって、使用頻度の高い色はこの4つ。
バーントアンバー(焦げ茶)・パーマネントバイオレット(紫)・
ウルトラマリンブルー(濃い青)・シャドーグリーン(濃い緑)

風景画を描く私にとって、古くからある日本の家屋、自然の山々、そして影色を表現する際に、これらの色の微妙な配合の違いで気に入った色合いを作り出すので、最も使う頻度が高い。ともすれば暗―い絵になるのも分かる…?

水彩テクニック

水彩画というと小学校や中学校の図工・美術の時間に経験するものの、意外と上手に塗るテクニックを習わずに終わってしまう。ちなみに学校で使う水彩は「不透明水彩」、大人の習い事で多いのは「透明水彩」、メディアも違う。

「薄い色から濃い色へ」
薄い色から塗り始め、段々濃い色を置いていくのは油絵とは逆。また私は黒と白を使わない。黒は3色程度の色を混ぜて表現し、白は紙の白さを塗り残すことで表現する。マスキングメディアを使うのもこのため。例外は、敢えて最後に白を入れる場合で、水彩の白では弱すぎて他の色に負けるため、アクリル絵の具の白を使用。

「色を重ねる」
水彩画は一発勝負で重ね塗りはしないと思っている人が多い。また、塗ってしまったら消せないと思っている人が多い。
それが違うんですよ! 
私の教室では何度も何度も重ね塗りをする。もちろん重ねずにチューブから出した純粋な色をキープする方が大事なこともある。同じ色を重ねることもあれば、違う色を重ねることで深みのある色合いを出すこともある。
消す方法もいくつかある。一番びっくりされるのは「ゲキオチくん」を使うこと。

「乾いてから塗る」
隣合う別の色を塗る時に、先に塗った色が渇いていないと、当然のことながら色が混じる。混じることを意図している場合は良いが、はっきりと境界を塗り分けたいときは、もちろん乾いてから塗る。その時間的な余裕が、学校の授業ではないことが多く、思った通りにならなくて焦って塗りなおして自滅、というパターンが多かったように思う。
私の教室では時間短縮のためにドライヤーを使うこともある。ドライヤーの風で表面の絵具が飛び散ってしまわないよう、ある程度紙に浸み込んでから使う。

「にじみ/ぼかし」
水彩絵具の面白さは水の力で色が滲んでいくこと。経験を積めばある程度にじみ方を予測できるが、意図せずできた水のにじみなどは、却って作品を面白くしているような気がして、敢えて修正はしない。
塩を振るのも面白い効果が出るので時々使用する。教室でも体験してもらっている。

書ききれないほどある水彩テクニックについては記事を読むより、実際やってみるのが一番。私の教室では様々なテクニックを身につけて、自由自在に水彩絵具を操れるようになり、自分が描きたい絵を思う存分描けるようになって欲しいと思っている。

創造力と想像力

描きたい風景

私は風景画を描いています。画用紙と画材を持ってスケッチに行ったり、たまたま通りがかった風景を写真に撮ったりして、描きたいと思う風景を絵にするのが(ちょっとおおげさだけど)「天命」なのです。予期せず夕焼けが綺麗だったり、光る海原に眼を奪われたりするとき、車を運転中だったりすると本当に惜しい…同乗している家族に「今すぐスマホで写真を撮って!」と頼むこともしばしば。「今日は絵にする風景を探して取材に行こう」と思っているとなかなか天気に恵まれなかったりするのに、偶然見かけた光景が素晴らしかったりするのです。写真家の皆さんはそんな時どうしているのだろうと疑問に思いますが、私は写真家ではなくて絵描きなので、パシャパシャと何枚か撮った下手な写真を繋ぎ合わせて絵の構図にすることもあります。もちろん空の具合を変えることも、モノの位置を変えることも、影の方向を変えることも…絵だからこそできることであって、「虚構」であっても美しい仕上がりになればいい。風景として不自然でなければ。

「夏の思い出(御幸の浜)」2019 イメージしていた親子と犬を描いたところ、ある人の心に響いたようでお買い上げになりました。

創造力と想像力

風景を絵にする時、ある程度デフォルメをしたり、色を変えたりするのだから、そもそも描き手の創造性に任されていると思うのです。そこには素(もと)になる現実の世界があるのだけれど、構図を作り色のイメージを作り上げてから、作品に取りかかります。
水彩画は油絵のような重ね塗りはできないので、塗り始める前に下書きを見ながら着色する順番を頭の中で組み立てます。その作業は、この色とあの色を重ねたらどうなるか、などといったこれまでの経験がなければできないことで、筆を取る前にかなりの時間を費やします。マスキングをする場合などはとりわけ着色のイメージが重要で、想像力を最大限働かせなくてはいけません。
もちろんイメージしていた通りに作品が仕上がるかは「経験あるのみ」なのでしょうが、私の力不足でうまくいかない時ももちろんあります。そのためには練習に練習を重ねることが大切だと感じています。